自社サイトがChatGPTやCopilotに引用されているか、無料で確認できる方法があります。Bing Webmaster Toolsの「AI Performance」です。2026年2月にパブリックプレビューとして公開されました。
日本語の解説記事はほとんど見当たりません。そこで実際に5サイトで開き、画面の構成と使い方を確認しました。この記事では3つの指標の意味と、使い始める手順、知っておくべき制約をまとめます。
AI検索での露出を測りたい方は、まずここから始めるのが確実です。
Bing AI PerformanceはAI回答での被引用を見る機能
AI Performanceは、自社サイトがAIの生成回答で引用された回数を表示する機能です。
従来の検索順位やクリック数とは別の指標を扱います。画面上部には「Citation sources: Microsoft Copilots and Partners」と表示されます。つまりMicrosoft Copilotと、その提携先のAI体験が対象です。
重要なのは、ChatGPTの引用もこの対象に含まれる点です。OpenAIの検索機能はMicrosoft Bingの基盤を通じてWebページを取得しています。この提携関係により、ChatGPT側の引用データもBing側で観測されます。
順位ではなく「引用」を測る
| 指標の種類 | 見るもの | 確認できる場所 |
|---|---|---|
| 検索順位・クリック | 検索結果での表示と流入 | 検索パフォーマンス |
| 被引用 | AI回答で出典として使われた回数 | AI Performance |
AI検索では、ユーザーが検索結果を開かずに回答だけ読む場合があります。この状況では従来のクリック数だけでは実態がつかめません。被引用はその空白を埋める指標です。
押さえるべき3つの指標
AI Performanceの画面には、次の3つが並びます。
Total citations(総引用数)
AI生成回答のなかで、自社サイトが出典として参照された回数です。
この数値がゼロなら、AIはそのサイトを回答の根拠として使っていません。まずここを見ます。
Avg. Cited Pages(平均被引用ページ数)
1日あたり、自社サイトの何ページがAIに参照されたかの平均です。
総引用数が多くても、この値が小さい場合があります。その場合は特定の1ページだけが繰り返し使われている状態です。サイト全体が評価されているのか、1ページだけが強いのかを切り分けられます。
Grounding queries(グラウンディングクエリ)
AIが情報を取りに行くとき、内部で使った質問文のサンプルです。
3つのなかで最も実務に効きます。ユーザーが実際に打った検索語ではなく、AIが答えを組み立てるために使った問いが見えるためです。どんな文脈で自社が参照されたかがわかります。
・Total citations:引用された総回数
・Avg. Cited Pages:1日あたりの被引用ページ数
・Grounding queries:AIが使った質問文のサンプル
使い始める4ステップ
実際の操作は次のとおりです。
ステップ1:Bing Webmaster Toolsにサイトを登録する
https://www.bing.com/webmasters にMicrosoftアカウントでログインします。Google Search Consoleからインポートすれば、5分ほどで登録できます。
ステップ2:左メニューの「AI Performance」を開く
サイドバーに「AI Performance」の項目があります。ベータ版であることを示すバッジが付いています。
2026年8月2日時点で、順番待ちの登録は不要でした。 5サイトすべてで、そのまま画面を開けています。
ステップ3:期間を切り替える
画面上部で「7日」「30日」「3か月」「6か月」「カスタム」を選べます。「Compare」で期間の比較も可能です。
最初は最長期間で見てください。 データが少ない段階では、短い期間だとすべてゼロに見えてしまいます。
ステップ4:Grounding Queriesの一覧を確認する
画面下部に「Grounding Queries」と「ページ」の2つのタブがあります。ここで質問文と、引用されたページの一覧を見られます。右上からダウンロードもできます。
使う前に知るべき3つの制約
便利な機能ですが、万能ではありません。
制約1:Google AI Overviewsは対象外
測れるのはMicrosoft Copilotと提携先のみです。 GoogleのAI Overviewsでの引用は、この画面に出てきません。
Google側の露出を知りたい場合は、別の手段が必要です。この点を理解せずに数字を見ると、判断を誤ります。
制約2:表示されるのはサンプル
画面には次の注意書きが出ています。
The data shown below represents a sample of overall activity. Results may be refined as additional data is processed
全数ではなくサンプルです。 数値をそのまま実績として扱わず、傾向として読む必要があります。
制約3:ラベルはAIが自動生成している
もう一つの注意書きは、意図やトピックのラベルがAIによる生成であることを示しています。分類が常に正しいとは限りません。
| 制約 | 実務での扱い |
|---|---|
| Google AI Overviewsは対象外 | 別手段と組み合わせる |
| データはサンプル | 傾向として読む |
| ラベルはAI生成 | 分類を鵜呑みにしない |
まとめ
・AI Performanceは被引用を測る機能:順位やクリックとは別の指標
・ChatGPTの引用も対象に含まれる:OpenAIがBing基盤を使うため
・見るべきは3指標:総引用数・平均被引用ページ数・グラウンディングクエリ
・順番待ちは不要:2026年8月2日時点で即座に開けた
・Googleは測れない:AI Overviewsは対象外
まずは自社サイトを登録し、最長期間で数値を確認してください。ゼロであっても、それが現在地です。測っていない状態から、測れる状態に変えることが最初の一歩になります。
よくある質問
Q. 利用に費用はかかりますか。
かかりません。Bing Webmaster Toolsのアカウントがあれば無料で使えます。
Q. 順番待ちへの登録は必要ですか。
2026年8月2日時点では不要でした。登録済みの5サイトすべてで、そのまま画面を開けています。
Q. ChatGPTでの引用も含まれますか。
含まれます。OpenAIの検索機能はBingの基盤を利用しているためです。
Q. Google AI Overviewsでの引用は見られますか。
見られません。対象はMicrosoft Copilotと提携先に限られます。
Q. 数値がゼロの場合はどうすればよいですか。
まず期間を最長に広げて確認してください。それでもゼロなら、AIがそのサイトを回答の根拠として使っていない状態です。
実測環境: Bing Webmaster Tools / 確認日 2026年8月2日 / 対象5サイト
